デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

かわいい女の子と結婚して、小さな家で楽しく暮らしてくこと


中学一年の冬の一時期、朝、5時半集合で、クラスの親友たちと地元の公園にある、高い丘の頂上に集まり、遊んでました。


一日8時間とか耐久するレベルのテレビっ子だった僕は、当時の『マイケル・ジャクソン』と、最盛期である『とんねるず』の、ノリさんが真似し・加工してた『マイケル・ジャクソン』が特に好きで、僕は、早朝の、高い丘の頂上で、昇りはじめた白い太陽に向かい、ノリさんの『マイケル・ジャクソン』になり切り、大声で「ポーーーーーー!!」とか叫んでて、親友たちに「うえ、みんなが起きるぜ」とか言われつつも、みんなで笑い合ったりしてました。


(この親友たちとは、同年の林間学校内の遠足で、道を間違え、いきなりゴールに出てしまい、引き返すのが面倒だな〜なんて言いながら、みんなで山道を歩いている時に、でっかいトラックが通ったので、僕が運転手のおっさんをナンパして、屋根のない荷台に7人、乗っけてもらい、走り出し、過ぎ去る景色を眺めながら、突然、「うえ、『フットルース』だ!」って叫んだ親友のアクションに合わせて、映画『フットルール』の真似をして、トラックの荷台で踊り明かした仲です。のちに女子にチクられて、夜は公開処刑でしたが)

で、丘の上で叫んだり、本格的なドライバーを使って、ゴルフやったりして遊んだあとに、なんとなく流れで親友が、「うえ、お前の夢って何なの?」って振って来たんです。


親友たちが、「このバカはどんなスケールの夢を持ってるんだ?」って感じの、興味深々を隠さず見つめる中、僕自身も「俺は何を発言するんだろう?」って一瞬考えたあとに、自然と、「かわいい女の子と結婚して、小さな家で楽しく暮らしてくこと、かな」と答えました。


みんな大爆笑したんだけど、そのとき、自分の発言がすごく腑に落ちて、「あ、これが俺の夢なんだ〜」って、はじめて認識できた瞬間でもありました。

悪友たちは、そんな僕の発言をネタにしない訳がなく、その日の授業中には、僕のこの夢はクラスのみんなの前で公開処刑にあうのですが、今考えると、いい思い出だな、と思います。

最近、自分の夢って何だろう? って考えたときに、不意にこの夢を思い出し、「あ、これが今も本音だな」って、さらに腑に落ちる感覚に深みが増した瞬間がありました。


よく、「モテたいからバンドやってます」とか聞きますが、僕は創作においてはそういう意識は全くない。もちろん、動物行動学や遺伝子的に考えたら、あらゆる表現は繁殖戦略であり、それを意識的にやるか、無意識的にやっているか、の違いでしかないとも思いますが、意識して「ものつくってモテたい」って思ったことは不思議とない。


だって、モテたいなら、そんな回りくどいことしないで、ナンパなり口説くなりすればいいだけだし、100万人参加型の淫らなパーティーを開催したって、ひとつのブラックホールには一隻の宇宙船しか冒険に出掛けられないって現実がある。だから、100万人にモテたって、やれることには限界があると思うんですよね。


『モテたい』が、『やりたい』、じゃなく、巨大な承認欲求ならば、尚更、一人の誰かと信頼関係を結んで、とことん愛を循環させた方が、話は全然早いし。


脳科学者の話では、浮気・不倫は、基本非効率であり、独りの異性と生殖し続けるのが、最も効率的というロジックもあるみたいだし。


ま、浮気・不倫は、された相手にとって『心の殺人』だし、した本人も、結果、透明な返り血を浴びて汚れる。その返り血は見えないだけにたちが悪く、どこに付いててどうやって落とせばいいのか? が、かなりやっかい。結果、自分をどこかで損なう。
 
人間は、文明を創造することによって、本能を破壊することに成功したパンクな種族であり、本能を司る遺伝子・ゲノムに抗いながら、文化的遺伝子・ミームを流通させ、人間としての歴史を築いてきた。


身体的快楽にもとことん突っ込んで、「え? 人間の肉体ってこんなすごいことになってんの? 心の宇宙よりも全然、ポテンシャル高いじゃん! こんなこと、世間にはどこにも情報として流れてないじゃん! 神と死と快楽の並列じゃん!」って驚愕する瞬間もあったけど、結果、「身体的快楽は精神的快楽、つまり『幸せ』とはイコールじゃないんだな〜。身体は、基本、寂しいんだな」ってことにも気付け、やはり、「あ、幸せになろう」ってつくづく思ったんです。

たぶん、その究極の形が、僕の場合、「かわいい女の子と結婚して、小さな家で楽しく暮らしてくこと」なんでしょうね。
身体的快楽と精神的快楽の融合策ですね。
『小さな家』っていうのも、流れの速いこの経済社会において、時間や労働に追われ過ぎず、確実に充足を得るための、ある種シンボルかもしれませんしね。

そんな考えもあって、自分が創作活動ゲームにハマり込み、好きな女の子に寂しい想いをさせたりすると、ホント、本末転倒とはこのことだよね、って落ち込みます。
世界平和は手元から。手元が疎かな僕に、何ができるのか? って感じです。反省。



植岡勇二・ペヨー太

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michael jackson - bad』