デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

父とクワガタ

こんばんは、ペヨー太です。

今日、来客がありました。

僕は、父と母と一緒に団地に住んでいるんですけど、
なんでも父が、団地の階段にいたクワガタを見付け、
それを同じ団地に住む小学生の男の子にプレゼントしたみたいで、
その男の子とお母さんが一緒に、わざわざお礼に来てくれたんです。

父は男の子を家に招き入れ、自分の飼っている巨大化した金魚やナマズ(プレコ)を見せてあげたりしてました。
その様子を音だけで部屋から聴いていたんですけど、なんだかこれが、僕の求めていたひとつの答えのような気がして、あぁ、父の子でよかったとつくづく思ったのでした。

最近、色々な場面で、「自分のため」と「人のため」の違いについて考えていました。
僕が物をつくるのは、結局「自分のため」だけで、自分を高めたいとか、自分の限界を知りたいとか、そういった感覚におけるある種の気持ちよさに支配されていたように思うのです。

そんな折に、「人の役に立つ仕事がしたい」という二人の方の話を聞く機会があったこと、僕の生活の一部と言っても過言ではない、大好きなブログ「詩と惑星」が終ってしまうこと、そのブログを書いている三人の詩人さんの生き方に感銘を受けたことなどが重なりました。

そして気付いたのは、シンプルに、僕の限界を決めているのは、「人のために生きていないこと」と「社会に出ていないこと」だと、痛いほど再確認したのです。

そのタイミングで、父のクワガタの一件があり、単純にすごいことだと思ったのです。

夕飯時、テーブルを囲む父と母に、今、本気で社会復帰を目指していることと、父のクワガタの行動に感動したことを伝えました。
母は「大袈裟よ!」と噴き出していましたが、父は「安心した」と言ってくれたあとに、色々と助言をくれました。

僕は僕の出来ることを、まず足元から、家族から、はじめていきます。
さんざんな人生を送り、それに巻き込んできた父と母たちに恩返しできるよう、毎日を丁寧に生きていきたいと思います。


植岡勇二