一期一会の詩の部活 「ポエ部」
国立市谷保にある昔ながらの商店街・ダイヤ街。
三週間前くらい前、そこにある、ボーダレスな出版社兼本屋さん『小鳥書房』さんにて、詩のワークショップ的な感じ? なのかな? (本来詩は、上下左右のない完全にフラットな世界なので、言い方が難しいですが……)その場にいた小鳥さんや常連さんに、突然、「詩の教室」を依頼して頂きました。そして、その翌日に開催を決めた「一期一会の詩の部活 ポエ部」、昨日、無事終了しました! 参加してくださったみなさん、気にかけていてくださったみなさん、感謝です。
小鳥書房の向かいにあるシェアハウス『コトナハウス』にて開催した、このポエ部は、「一期一会の部活」です。
その時、たまたま集合した方々で、その時にしか起こらないことを、みんなで体感し合い、つむぎ合う。
つまり、みんなで作るその数時間が、僕らのポエムなんです。
第一回 ポエ部の宿題は、
「大切な思い出」。
そのテーマを、詩のタイトルのように中心点に置き、ポエ部は展開していったのですが……
ちょっと潜ってみた記憶の洞穴。
その闇の中、
記憶のフタが不意に開く感覚。
様々な記憶が、
無意識につながっていく思考の枝。
そして、
今この瞬間が、
思い出になっていくのなら、
ゆっくりと
白い羽根を
はばたかせることで、
今この瞬間を、
強く焼き付ける。
そういうの「記憶の常夏性」が、みなさんから自然と湧き上がり、共有されました。
そしてみんな、それぞれ違う言葉や記憶、違う思考回路のリンクの連鎖、違う思い出の作り方で、違う形をした同じものを、一緒につくれた気がしました。 僕は、詩人とは何か? と問われたときに、時空間を使って時間をクリエイトする『タイムデザイナー』だと思っています。
そしてそれは、特別なことでもなんでなく、みんな、生きている以上、普段から無意識的に行っていることなんです。
そこに意識を向けてあげると、それができるようになる。
ただ、当たり前だって、「気付けばいい」、だけだから。
そこは、技術も経験も必要のない世界なんです。
でもそれは、ここでこうして文字で読んだところで、身体で理解はできないかもしれません。
だから実際、それを一緒に、時間をともに過ごし、身体で感じて貰う。そして昨日、 それを行うことは、決して難しくもなんともないってことを、ポエ部で詩をつくり、それをみなさんが、それぞれが表すと言う行動を通じ、実感していただけたような感じがあった(ように感じた)。
それが、とても嬉しかったのです。
やりたいこと・やるべきことが、ようやくクリアに伝えられるようになってきたのかもしれません。そしてそれは、今回、テキストを作るにあたり、即興バンド・古代歌謡の相方、ギター大槻拓さんが、一緒に教科書をつくってくださったのが大きい。
拓さんとは、もうこの8年間、古代歌謡で500本以上即興しているので、ふたりの間の「詩とは何か?」と、即興によって無意識に時間が生成されていく感覚を、ふたりの間で信じ合えているから。当時会場での、僕の至らない部分に全て回り込み、すかさずフォローしてくださった歌手・髙塩英実さんにも、本当に助けられました。
今回、ポエ部終了後に、いつもお世話になってる谷保・富士見台団地の広島屋さんの前で、『カタワラノ永遠』織田さんと、『古代歌謡』の拓さんが、ギターとピアノで即興ライブをはじめたのも最高でした。
それに歌手である髙塩さんが即興で歌をのせてくれたのもさらに。
髙塩さんにとっては、はじめての即興コラボライブなので、いつのも実力の20%くらいに、僕には映りました。
が、いや、絶対に敵に回したくない演者さんかと末怖ろしい感覚は、やはり常にあります。そういうテンションのライブでした。そして、僕の即興的・衝動的なイベントの進め方にもかかわらず、常に、より実現可能な方向へとバランスをとってくださり、最善を尽くしてくださった小鳥書房のみなさんにも、本当に感謝しています。
何より、集まってくださった部員のみなさん、一人ひとりから頂けたポエムは、ずっと僕個人の不変として、僕の普遍性を作っていくと感じています。 約束だからそれを守る、という約束は大嫌い。
約束は自分で決めて自分で守る、自由な選択権。
そこにだけ、「うつくしい妄想」としての『絶対』がある。
上の写真の仲間は、そもそも仕事の関係で参加できなかったのに、ポエ部二次会の発表会『Pパーティー!・ライ部』に、すごく忙しいのに無言でかけつけてくれた。
そういうひとつひとつのつながりが、僕のポエムです。なので、次回開催の予定はあえて未定にしてあります。
ポエ部員の菊池さんが言いました。
「録り貯めたビデオほど重いものは無い」と。
それなら、今のこ瞬間をつよく意識し、忘れないように記憶した方がいい、というようなことを。そして、「夏休み選択権」という詩を生み出したポエ部員 織田理史さんは、哲学家的な視点から、「過去は実在します」と述べていました。どうして、自由に、そこにいけなくなっていたのか?
そして、そのフタは何故? 不意に開くのか?
意識的にそこへいたる壁の穴を、空けることはできるのか?
その洞穴と、記憶のフタを空けちゃえるような、ワームホールな一日でした。
みなさん、ありがとうございました。
またいつか!
ホラーナ!
⚠︎ 「ホラーナ」は、洞穴の中特有のホラー性を表したポエ部員 間瀬英一郎さんのポエムです)
ポエ部長 AIUEOKA