デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

『胡蝶の舟』巡回展第一部、区切り。


たくさんの方の助けを得て、『胡蝶の舟』のふたつの巡回展『うたはゆめをわたる』そして『そりゅうしのうた』が終わりました。


そもそもこの企画展を立ち上げたのは、僕の小説『胡蝶の舟』を読んで貰える場をつくりたいという思いから。

今回、さまざまなジャンルのつくり手さんに、小説の世界観を展示作品に落とし込んで頂きました。


しかし、ここで反省点。

それら作品と小説の関係性、例えば近藤康弘さんのこの器は、どのシーンに出てくる器なのかな? とか、そういった部分の説明不足がありました。

ひとつひとつの作品は素晴らしい。しかし、それが、物語を通じて、ひとつにまとまっているかは、本を読んだ人にしかわからないという感もある。


もちろん、この展示会をインスタレーション的な展示会だと感じるお客さんもいたと思います。それはそれで、ひとつの形だし、そこは上手くいっているのかもしれませんが、企画の主旨、『本を読んで貰う』というところへの誘導には、必ずしもつながらないということもあったと思います。


そんな反省点を踏まえ、巡回展の『そりゅうしのうた』では、デザイナーの石川洋一くんに手伝って頂き、展示会の『ガイドブック』をつくりました。

これは、8ページの冊子で、そこでは、物語の概要、作品の説明(作品とシーンの関係性など)、そしてこの小説を語るに欠かせない、摩訶不思議なお茶の効能をデザインイラスト入りで展開しています。


そのガイドブックをお客さん全員に配りながらの『そりゅうしのうた』でしたが、イベントの最後の一時間では、朗読会にライブと、満員御礼のうちに幕を閉じ、実に充実した一日だけの巡回展となりました。


ひとまず、ここで『胡蝶の舟巡回展』はいったんの区切りとしますが、
まだまだ可能性があると感じている限りは、また巡回させたく思っています。

来てくださった方、気にかけ応援してくださった方、そしてつくり手のみなさん。準備を手伝ってくれた仲間、色々な方の助けと器量の大きさでこの企画展は成り立っていたと今に強く感じます。


ありがとうございました。


植岡勇二(ウエペヨ)