デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

ウエノ・ポエトリカン・ジャム5


ウエノ・ポエトリカン・ジャム(以下・UPJ)を、昼と夜、観てきました!

UPJは、日本一大きな詩のイベント、といった感じで告知されてる言葉のライブイベントです。上野公園の野外ステージ(水上音楽堂)で行われました。ここは1000人近く入る会場で、昼間着いた時には、まだ100人前後の入りでした。

今回はあえて、事前にオープンマイク枠のエントリーはしなかったのですが、当日枠のオープンマイクに申し込むなら、司会の石渡キミさんという、たくましい美人さんを、3分間のステージ上でナンパしようかなと考えてました。その時の司会がもし、(もう一人の司会の男性)猫道さんなら、バイセク路線で猫道さんをナンパ。しかし、当日枠には申し込まないで、日中は上野の美術館でデートしてました。昼間の会場で、『横なぐりの成長痛』でもお世話になってる、詩人・演出家の蛇口さんに、「あ、ペヨー太くん現実を取るんだ」と笑われ、「当たり前ですよ!」と答え返しました。


ざっと昼間見た感じだと、UPJでは、

1.大丈夫

2.つながってる

3.人と違って当たり前

4.自分の敵は自分

5.孤独は大切

的なワードが多く観られました。が、僕的には、上記のワードが一切含まれない演者の詩が、結果、響きました。

自分の問題や感情と、とことん向き合った結果読まれた詩は、さらに誰かのヒントに成り得る。しかし、誰かの問題を自分の問題を重ねるように引っ張って来た詩は、だいたい、ふわふわと中和された説得力のない共感に止まるなと思いました。やはり、本人にしか本人の問題はわからないし、解決はできないってことを、再確認しました。

そういった意味も含め、馬野ミキさんのライブ・詩には、圧倒的に心を打たれました。
「今、お父さんは、EXILEよりも、YouTuberよりも、ずっとかっこいいぞ」
と、ステージで絶叫したミキさん。この言葉の中にある、様々な問題や、それに抗うミキさんの姿勢に凄みを感じました。

一日の最後は、谷川俊太郎さんのライブで締めでした。

昔、すごく音の良いとされる蓄音機の音を聴いたんですけど、ペラペラのフラット音だったので驚いたのですが、その後、新国立劇場でバレエを観た時も、オーケストラの演奏が、やはりフラットで唖然。しかし、フラットな音環境ゆえに、拍手の音が雨音みたいにきれいだった。それは、昨夜聴いた谷川俊太郎さんの朗読に似ているなと思いました。
谷川俊太郎さんは、何かの媒体で、「道端に咲いてる花みたいに詩を存在させたい」、的なことを書いていたように思いますが、あの人自身が、道端の花みたいなものだなと、つくづく思いました。ありのままのフラット音。谷川さんがライブ中に、「詩はシャウトしちゃいけないんだよ(ま、若いからいいけど)」と言っていた意味が、よくわかりました。音圧や音量は問題ではないんだなと。

以前、好きな女の子に「好きそうな詩が入ってたから。うふふ」と言ってプレゼントされたのが、谷川俊太郎さんの詩集『夜のミッキーマウス』で、それが谷川さんが昨夜朗読された『なんでもおまんこ』との出会いですが、ナマで体験したそれは、快楽と死の表裏一体感があまりに凄過ぎました。

20代の頃、宇宙になる詩ばっか書いてて、ある日友達の女の子に「宇宙のこと考えながらオナニーしてるって本当?」って真顔で質問されたのを、まぁ、昨夜の谷川さんの『なんでもおまんこ・ライブ』で思い出しましたよ。。普通、そんなことしないですけどね。。谷川さんは、普通じゃ、ないですね。。
谷川さんなら、宇宙とやる、かもですね。もしかしたら、イカすこともできたりして。

宇宙をイカすのは、詩人のひとつの最終目標だと思いますし。

宇宙と一緒にイクことが目的なのに、いつの間にか、詩を書くこと、ライブをすること、が目的になってた自分に気付かされました。小さい小さい。魂の巨根・谷川俊太郎さんの『なんでもおまんこ・ライブ』に感謝します!

総括としては、ミキさん、蛇口さん、谷川さんは詩を読んでるんだけど、全然詩に聞こえない! という点。ただの普通の言葉に聞こえる。スイスイ入ってくる! 詩人って、特別詩を書いてる人のことでも、読んでる人のことでもないんだと、改めて確認できました。


あと、デートに行ってて見逃してしまいましたが、もりくんのライブ、観たかったなぁ。。タイムラインにあがってる上半身裸・細マッチョの写真が、なんか凶器に見えるし。。弾けたんだろうなぁ。。というのが心残りです。では、また。


植岡勇二・ペヨー太

https://ueokayuji.tumblr.com/