デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

10年も20年も

今年で、本格的に詩を書き始めて
20年になる。

僕の詩のルーツ、というか、
詩の原体験を語ると、
それは漫画にあると思う。

吉田聡の「湘南爆走族」。
これはただのヤンキー漫画でなく、
途中、登場人物たちが、
その気持ちを詩のような台詞で
静かに語ったりする。
読み始めたときは、
あまりよくわからなかったけど、
回を重ねるごとに、
そこに魅力を感じるようになる。
しかし、それが詩であるということは
その時は気付かないのだけれど。

同時に、少女漫画になるが、
紡木たくの「瞬きもせず」や
いくえみ綾の作品群に
やはり、詩のような感覚を覚えるような
表現をみる。
それらが、僕の詩のルーツかもしれないなと、
今朝思った。

特に、吉田聡の「鬼のヒデトラ」や
いくえみ綾の短編集「ベイビーブルー」は
ものすごい詩が詰まっていて
いま読み返しても、色あせないものがある。

「鬼のヒデトラ」の方は、
登場人物の二人(実は好き合っている)が
夏の縁側で風鈴の音を聞くというシーン。
これは見開きでその情景が見える。

「ベイビーブルー」の方は、
その中に収録された読み切り
「10年も20年も」が最高。
と、書いているそばから
泣きそうになって来たので
このへんで。
機会があればぜひ読んでくださいまし。

うえぺよ