デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

絵を観ている

最近、部屋にいることが多く、
そこで何をしているかと言うと、
音楽を聴きながら、集中して絵を観ている。

絵は、清水美紅さんの作品群で、
僕の手持ちの画集を三種類と
ポスターを観ている。

美紅ちゃんの絵をこうしてまじまじ観ていて
最近気付かされたのは、
僕は、見ているようで見ていなかったのだな、
ということ。

展示会では、絵の前に立って、
そこで照り返される感覚に集中していたけど、
絵、そのものに描かれた、ひとつひとつを
細部まで汲み取れていなかったのかもしれない。

画集は、自分の部屋というテリトリーの中で
一枚に、じっくり時間を掛けて気兼ねなく観れる。
そこで面白いなと思ったのは、
絵が一瞬一瞬で、変わっていくこと。

どういうことかというと、
一秒前に、記憶になかった線や色が、
次の一秒後に、まるで今生まれたかのように
絵に現れるということ。

「あれ? こんなところに赤い線なんてあったかな?」

とか、本気で悩みながら、
一枚の絵という記憶が
刻々と変わっていくのを楽しんでいる。

美紅ちゃんの絵は生きている。


うえぺよ