絵を観ている
最近、部屋にいることが多く、
そこで何をしているかと言うと、
音楽を聴きながら、集中して絵を観ている。
絵は、清水美紅さんの作品群で、
僕の手持ちの画集を三種類と
ポスターを観ている。
美紅ちゃんの絵をこうしてまじまじ観ていて
最近気付かされたのは、
僕は、見ているようで見ていなかったのだな、
ということ。
展示会では、絵の前に立って、
そこで照り返される感覚に集中していたけど、
絵、そのものに描かれた、ひとつひとつを
細部まで汲み取れていなかったのかもしれない。
画集は、自分の部屋というテリトリーの中で
一枚に、じっくり時間を掛けて気兼ねなく観れる。
そこで面白いなと思ったのは、
絵が一瞬一瞬で、変わっていくこと。
どういうことかというと、
一秒前に、記憶になかった線や色が、
次の一秒後に、まるで今生まれたかのように
絵に現れるということ。
「あれ? こんなところに赤い線なんてあったかな?」
とか、本気で悩みながら、
一枚の絵という記憶が
刻々と変わっていくのを楽しんでいる。
美紅ちゃんの絵は生きている。
うえぺよ