デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

リラックスチャンネルその1

昨日までずっと、なんだか張り詰めていて、
緊張のようなものが続いていたのですが、
ツイッターの記事に、
地震発生から4日〜7日後は、
最初の緊張が解け、不安や恐怖が
湧き上がってくる時期です。
多くの場合、時間を経れば解決します。
「禁欲的生活をしなけば」と自己規制せず、
リラックスしてストレスを減らす工夫を。
東京女子大・広瀬弘忠教授)」
とあり、久々にラジオで音楽を聴きました。

ラジオからはずっと、古いジャズが流れていて
その録音の古いレコードのような音のやわらかさに、
心が一気に脱力したのでした。

僕も、その体験を受け、このブログに
ひとつ、詩を載せることにしました。

二年前に創った「アロハハワイ」という詩で、
友人の鍵牛バハンさんとの協作です。

ほっと、力が抜けたら幸いです。



「アロハ ハワイ」

 1


たんじょう日に 
ハワイに行ったら
むかえに来てくれた 
カピバラの女の子が
アロハ と言うと、
恥ずかしそうに、
スカートのすそを 
くちゃくちゃにつかんで、
まっかっかになりながら
タクシー乗り場へ案内してくれた。
ぼくが、
耳にさしてあるハイビスカスの花が 
とてもキレイですね、
と、ほめると、
彼女はうつむいて
お客さまを 
おむかえするのですもの
と、
やっぱりはずかしそうに、
つぶやいた。


アロハ ハワイ
こんにちわ 僕の新しい年
こんにちわ 新しい世界 
アロハ 美しい世界 
アロハ ハワイ

「僕は 世界が好きでたまらないんだ」

いつのまにか泣いていた 
僕の手をそっとにぎって
カピバラの女の子は 
ほんとうに美しく笑った。 

    


アロハ ハワイ 
僕の夕暮れ

アロハ ハワイ
雲が帰る場所

遠い 遠い世界から
僕の歌が帰って来たんだ

遠い 遠い世界の
新しい歌を恋人にして

アロハ ハワイ
僕の心臓が

アロハ ハワイ
君を揺らしてる



ハワイでは
すこし大人になった
カピバラの女の子が
ファンデーションの蓋をパチンと閉め
小さな赤色のハンドバックを持って
出勤のためドアを開け、
外に出てきたところです

庭のハイビスカスが揺れ、
彼女は すこし涼しくなってきた
ハワイの空気の匂いに
ふと顔を上げると
そういえば、
あのひとはどうしているかしら… と、
思い出すのでした。

世界にはいつも
いくつもの層が、
薄く厚く優しく重なりあっていて、
なんの前触れもなく 
私達は、
ふとした瞬間に 
別の世界のヒダに吸い込まれると、
あちらの層へ渡ってゆくのです。

カピバラの女の子も、
そんな瞬間を待っているのでした。

そう、私達は、

私達はみんな、
待っているのでした。



日本は昨日 台風でした

今も嵐の落としごたちが
ヒューヒューヒューヒューと鳴いています

落としごたちは誘っているのです

僕が 窓を開けるようにと

僕は まんまとだまされたふりをして
窓を開けました

白い雲が
ハイビスカスの形をしていました

カーテンが君のかわりに
僕の頬を撫でました

僕はこの風に乗り込んで
今からハワイに向かいます

君に アロハ と言うために





植岡ペヨー太 mikromoai@gmail.com