デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

リベンジSSWS

今夜、言葉と声の天下一武道会
SSWS(シンジュク・スポークンワーズ・スラム)」
に出場します。
ちょうど一ヶ月前、一回戦で敗退したリベンジに。
一回戦は、この詩(曲)でいこうと思っています。
やり抜きますっ!!

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「最果て」

1

最果てを目指し 加速度をあげる。
最果てを目指し 魂の加速度をあげる。
魂を加速させるためなら「毒」さえも食らう。

「毒」が犯すもの
「毒」の副作用がもたらすもの
それは、時間の変化だ。

時間が壊れ始める。
時間が壊れ始める。

時間が毒に犯される。
時間が毒に犯される。

時間を犯す毒は甘い。
時間を犯す毒は甘い。

毒を飲んだ人々は、
加速する魂の代わりに
夢の国を奪われる。

夢を奪われた人々は、
やがて現実の中に
夢の穴を見かけるようになる。

例えば、彼女から貰ったNECのカレンダーを
何気なく眺めていると、
不意に、その風景写真から、赤いクジラが現れる。

その時、最早完全に、時間は崩れ去っている。

やがて身体中に 夢の穴が空く。

身体は 夢を吐き出す活火山となり、
あらゆるテスクチャーに
夢という火山灰を降りかける。

そして、すべてが 夢に変わる。

逆転した世界の中で
彼らは時間の不思議に出会う。
そんな入口もある。

2

無意識の最果てでは
思考が王国を成す。

無意識の最果てでは
思考が王国を成す。


そこでは、
規定的な思考が王国のルールになる。

しかし、自分で自分が何をどう規定しているのか?
そのすべてがわからないように、
自らの無意識が
王国のルールを規定していることにも気付ないまま、
旅人は 王国の門から弾き出されてしまう。
その王国の門そのものが
自分自身だというのにも関わらず。

彼は今、どのあたりにいるのだろう?


実は今、無意識の最果てにいたとしても
それに気付かないまま
毎日を過ごしていたとしたら?
無意識に規定した自らのルールに
疎外されていたとしたら?

3

やがて、彼はダークマターの正体を悟る。
この宇宙の無意識=ダークマター
それを悟った瞬間、
その思考の領域が彼の住処となった。

ダークマターは火山だ。
その噴火口から、さらにダークマターが噴火する。
彼らは噴火を繰り返しながら無限に増殖していく

火山の鼓動に合わせて踊りながら
煮えたぎるマグマに合わせて踊りながら

巨人は踊る
巨人は踊る
血の匂いを追い求める
血の匂いを追い求める
血の匂いにダークマターが射精をする
血の匂いにダークマターが射精をする
この物語に終わりはない
この物語に終わりはない
血が血を結び、
噴火が噴火を呼び込む。
血が血を結び、
噴火が噴火を呼び込む。

そして彼は、その思考の領域で
無限の黒い花に生まれ変わる。

沸き上がる花
沸き上がる花
噴火する花びら
噴火する花びら

花びらを食らう 黒い巨人の群
花びらを射精する 黒い巨人の群

巨人の群は足踏みを始める
加速する足音
増大する足音
宇宙を揺らす足音
そして、すべての巨人の足音が
ひとつに重なり合ったその瞬間、

一輪の白い花が爆発する。

白一色に染まる広大な宇宙。

白い爆風に焼き尽くされ 
黒い巨人の群は 
白い巨人の群に生まれ変わる。

しかし、その手の中には、
慈しむように、黒い花が一輪ずつ 握られている。

最果て