デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

90年代の呪縛

と場見学の帰り、一緒に見学したユカちゃんと
二人でお茶をした。
http://www.fujimayuka.com/
(↑ユカちゃんのサイト「夕顔」)

実に色々な話をしたけれども、
その中で、心にひっかかった話を書きたいと思う。

ユカちゃんが不意に質問する。
「ペヨちゃん、海外旅行はどのくらい行っているの?」と。
何カ国かを回っていると答えると、
「旅をして人が変わるって本当かな?」と聞かれた。
僕は、
「僕の旅には、その旅でしか出会えなかったであろう
 一回性の出来事がつきものなので、そういった意味では
 僕の中で旅は大きいし、僕の第一作目の小説も
 僕が旅で得た、それら一回性の劇的な体験を繋ぎ合わせて
 創っているのでそういった意味では
 旅は大きいのではないか?」と答えた。
そして引き続き、
「第一作目の小説は僕の中で過去からの卒業だった気がする。
過去の強烈な思い出にようやく今、出口を与えることができた。
そして僕は、過去からの呪縛をとかれたのかもしれない」と。
そこでユカちゃんから、鋭い質問が入る。
「ペヨちゃんは本当にその呪縛を解きたかったの?」
と。言葉を失う僕。

僕の呪縛。それは90年代に洗礼を受けた様々なカルチャーや
人々との出会い。それは本当に強烈だった。
果たして僕は、本当にそこから自由になりたいと思っているのか?
未だに、一番刺激を感じるのは90年代の電子音楽やバンドだし。
今書いている小説も、90年代にあった出来事をモチーフにし
舞台を21世紀に変えて書いているものも多々だし。

これは本当に根深い問題だ。むむむ。
ユカちゃんと対峙すると、毎回、こういう切り込みが入り、
僕を心の奥に誘ってくれる。
彼女のその感性の鋭さには毎回驚かされるばかりだ。

90年代の呪縛。深く考えるべき課題である。