デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

村上春樹の新作、その第一印象

村上春樹さんの新作長編小説「1Q84」。

本屋にてまず最初のページをチラリ。
続いて無作為に開いたページをチラリ。

偶然にも、両方のページに共通していたのは、
過去の作品に、このページにあるものと
全く同じような描写があったということ。

ああ、村上春樹さんも過去を模倣し始めてしまったのか?
という疑いと、
物語の書き始めという、すごく重要な場面に
過去と全く同じような描写を持ってくるのはいかがなものか?
という思いとで、この新作との第一印象は良くはなかった。

しかし、ここは強引に購入。七年待ったからね。

そしてやはり読み始めるとものすごく面白い!
先程の第一印象の悪さなど、どこ吹く風だ。

「モンキービジネス」のインタビューに、
海辺のカフカのあたりから書きたい物を
 書きたいように自由に書ける自信が付いた」
というような台詞が載っていたように思ったが、
なにしろ描写が素晴らしい。
特に圧巻なのは、人物描写。

上巻だけで、554ページもある。
じっくり読むか、一気に読むかはこれも風まかせ。

詩人のイシダユーリさんに紹介して貰った
伊藤比呂美さんの詩集
「コヨーテ・ソング」。これもめちゃくちゃ面白い。

http://www.books-ruhe.co.jp/recommends/2007/05/coyote.htm

なんといっても、エロイ。コヨーテとカモの交わるシーンとか
あるんだけど、巷に溢れている世の男性を
性衝動に向かわせる様々なエロツールの
比じゃないくらい僕は欲情しましたw

と、書くとこの本はなんなんだ?と思われそうですが、
生きる欲望・エロスを強く感じる、
という意味でのエロが一番の魅力だと僕は思います。
原始的な力を持った言葉たちのエロス。

ユーリさんありがとう。