村上春樹の新作、その第一印象
本屋にてまず最初のページをチラリ。
続いて無作為に開いたページをチラリ。
偶然にも、両方のページに共通していたのは、
過去の作品に、このページにあるものと
全く同じような描写があったということ。
ああ、村上春樹さんも過去を模倣し始めてしまったのか?
という疑いと、
物語の書き始めという、すごく重要な場面に
過去と全く同じような描写を持ってくるのはいかがなものか?
という思いとで、この新作との第一印象は良くはなかった。
しかし、ここは強引に購入。七年待ったからね。
そしてやはり読み始めるとものすごく面白い!
先程の第一印象の悪さなど、どこ吹く風だ。
「モンキービジネス」のインタビューに、
「海辺のカフカのあたりから書きたい物を
書きたいように自由に書ける自信が付いた」
というような台詞が載っていたように思ったが、
なにしろ描写が素晴らしい。
特に圧巻なのは、人物描写。
上巻だけで、554ページもある。
じっくり読むか、一気に読むかはこれも風まかせ。
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詩人のイシダユーリさんに紹介して貰った
伊藤比呂美さんの詩集
「コヨーテ・ソング」。これもめちゃくちゃ面白い。
http://www.books-ruhe.co.jp/recommends/2007/05/coyote.htm
なんといっても、エロイ。コヨーテとカモの交わるシーンとか
あるんだけど、巷に溢れている世の男性を
性衝動に向かわせる様々なエロツールの
比じゃないくらい僕は欲情しましたw
と、書くとこの本はなんなんだ?と思われそうですが、
生きる欲望・エロスを強く感じる、
という意味でのエロが一番の魅力だと僕は思います。
原始的な力を持った言葉たちのエロス。
ユーリさんありがとう。