デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

流通文明

茂木健一郎さん(脳科学者)X合田正人さん(明治大学教授・フランス文学)の、「脳と魂の討議」という公開授業に行ってきた。
昨日は、この授業の二回目、二人の対談形式だった。

話を聞いていて一番印象に残ったのは、
茂木さんが言った「流通文明」という言葉と
それにまつわる様々な考えだった。

話の流れは覚えていないのだけれど、
真理を掴む、またはそれに近づくということは
大海を寡黙に見渡し、じっと時を重ねるようなものだ
(このニュアンスは僕の記憶でしかないので
 まちがっているのかもしれないけど)
という。つまり、時が止まっているかのような
永い永い時間の中に
真理は立ち現れるという。

しかし、現在の社会は「流通文明」で、
その言葉の通り、スピーディーに流れるものを好み
人を立ち止まらせようとするものを敬遠しがちな
仕組みになっている、と茂木さんは言う。

それを聞いたとき、ああ、それは一理あるなと思った。
僕の作品には、大海を寡黙に見渡し
そこから真理を得ることをテーマとした側面が大いにある。
そしてそれは、ある読者には読み辛く、
受け入れがたいのかもしれない。
しかし僕は、このテーマから逃げることはないだろう。

僕は創ることを通じて、世界の核に踏み込みたい。
そしてそこから経た感覚を読者に伝えること。
それが僕の創作の意義だと思っている側面がある。

そして、少なくとも僕の周りには、
大海を寡黙に見渡すことを常とする仲間たちがいる。
それが何より心強いではないか!

僕の作品が現在「流通文明」の流れに乗らないのは、
単純に僕の作品のレベルの問題だと僕は思っている。

僕の作品はまだ、「流通文明」の流れに
一石を投じるには程遠いだろう。

しかし、いいものを作れば、結果は必ずついてくる。
シンプルな言葉だが、これを信じてやっていくのみだ。