デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

「波が、降る」

&SCENE手創り市における、
惑星のかぞえかたさんとの出会い。
あたまの中で、静かに、ずっと、
惑星をカウントしつづけ
どこまでも銀河の円周を広げていくかのように、
深く、自分に入り、外界に広がる。
かといってそれは、生活観のないものでもなく、
童話や童謡の根底に流れるような
生活の匂いが息づいている。
そんことを感じるのは、
人間の中に普遍的に潜む童話たち(童話性)を
惑星さんの音世界が、揺さぶるからかもしれない。

太陽系の構造と、
素粒子の構造は似ているなと、
感じたことがある人は意外と多いと思う。

もしかしたら、この太陽系は、
巨大な何物かの素粒子のようなものかも知れないと。

そういった空想は、今までよく耳にした。

僕は、惑星のかぞえかたさんの音楽を聴き、
そのことを思い出す。

どこまでもマクロに心が広がりつつ、
同時に、
どこまでもミクロに自分の根源に降りていく。

その先にあるもの。それが、先程述べた
人間の根源にある「童話性」のようなものかも知れない。

惑星さんの音楽は、そこに触れる。

そんな音世界に、言葉を失い、
惑星さんたちにまともな感想も伝えることも出来ず、
その後、友人宅に泊まらせて頂き、
友人と、深夜四時まで語り合ったのだけど、
その時間もまた、惑星をカウントするかのように、
広がりと深みのあるものでした。

そんな流れ、その響きに影響を受け、
詩をつくりました。
普段は即興でしか詩はつくらなけど、
これは即興でつくったあと、
かなり推敲した。

時間をともにしたみんなに贈ります。



「波が、降る」

踊り場で君と落ち合って
二人きりうすぐらい階段をのぼり
赤い鉄の扉を開けたなら

夕焼けに染まる屋上は海
地平線にある防波堤で
波が砕け
二人に降る

僕がつぶやいた言葉を
君が繰り返す

線になった 水の束を
君に浴びせる 白 
それは進化した時計の針
僕らが夢でしか結ばれなくとも

「波が、降るね」
「波が、降る」

いつか、君をここに連れて来たかったんだ