デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

素朴について。

誰かと何かを語る時や、
自分で何かを考える時など。

まるで、聴いている音楽を
ただ消費しながら聴いているかのように
何も考えず、無意識に思い付くままに任せて
それを自分の思考と認めている事が多々ある。

脳科学の本で読んだのだけど、
人間は一日に約6万語くらい思考するらしく、
その90%が前日に考えた事とダブるのだという。
(そこには「前日」とあったけど、
これは「過去」と言い換えた方が
当てはまるかも、と僕自身は思う)

昨日、久々にブログを更新し、
書いたことを後に読み返してみたら、
何の事はない、自分の中で過去に流れていた
音楽を並べ替えながら、連ねているかのような
そんな文章に仕上がっていることに気付いた。

情けない。

が、この失敗を通して
気付けたことは確かにあって、
それは今後の僕の言葉を変えていくだろう、
いや変えなければと今思っている。

新しいものを生み出したい。

例えば、自己表現の場としてやっている
即興バンド、古代歌謡は、
確実に、その時期、その時期に合わせて
変わり続けているのがわかる。

初期は、「意識の最果てを目指す」とか、
「向こう側の世界に参入したい」とか、
そういった事をテーマにしていたと思うのだけど、
今の古代歌謡で僕が即興していることは、
ズバリ「今の生活を詩に変える」ことになっている。

誰かの作品に対する好みも変わったし、
今までに聴こうとしなかった音楽も
聴けるようになった。
例えば、ジャズとかクラッシックとか、
演歌とかJーPOPとか。

今、青果市場で働いていて、
そこは、スタジオジブリ
紅の豚」に出てくる、
親戚の女性たちだけで飛行機をつくる
秘密工場のような、
そんな雰囲気があるのだけど、
そこにいるマダムたちが、
ものすごくかわいくて仕方がない、
という、今までにない
感じ方もしている。

そこには奇をてらって目立とうとしたりする人は
もちろんいなくて、
みんながみんな、素の自分であるように、
僕には映る。
その素朴さの中に、僕は
美しささえ感じる。

何故美しさを感じるか? と言ったら、
それは「素朴の中にこそある
美しさを見出す事が出来るようになったから」
という、なんとも抽象的な言い方しか
今の僕には出来ないけれど、
そんな表現、そんな自分を
僕も意識し始めているのかもしれない。

等身大。

そこにある表現の可能性に
気付き、そしてそこにこそある
個人性にこそ、
普遍的に他人とつながれるものがあることに、
気付き始めている。