デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

ライブを終えて。

FLYING LIVING、無事終了しました。
ライブに来てくださった皆さん、
ライブを気に掛け、応援の言葉などを頂いた皆さん、
本当にありがとうございました。

そして今回、ライブに呼んでくださったuraocbさん。
共演してくださったTatsuo Watanabeさん、
今回は残念ながら共演出来ませんでしたが、
イベントの企画をうらさんとともに進めてくださった
きんたまいさん、
そしてリエゾンの空間で美味しい料理を振舞って
くださったテンチョウさん、
急遽、お手伝いをしてくださったポコちゃん、
本当にありがとうございました。
多くの方に支えられての今回のライブ出演でした。

ここからは感想などつらつらと。
まず、リハーサル。
普段、スタジオで拓さんと二人きりという
シチュエーションでしか活動していない古代歌謡。
リハーサル時の、様々な環境、場の動きに、
かなり気を奪われ、それが即興に面白く
繋がりました。
例えば、僕の正面に貼られた
寺山修二作品の大きなポスター、
「ホースニュ−ス」「阿呆船」など、
それらの言葉を即興で取り込みながらの
朗読になったりしました。
朗読の流れは、
豪雨の振り出した渋谷に辿り着き、
黒い性器のような雨を浴びながら、
センター街の中を、一匹の
ドブネズミを追いかけながら
周りにいる人々をなぎ倒しながら駆け抜ける、
なぎ倒された人々は馬に変り、
僕を追いかけてくる、
そして僕は宇田川町のリエゾンに辿り着き、
「拓さん、やっぱり立川がいいですね」と
即興中に拓さんに話しかけるというものでした。

ここでの大きな気付きは、
僕は視覚的、環境的な情報に、
意識を奪われがちなのだということ。
それを今回の朗読では、作品化することが出来たけど、
さて、どうなるか?

そして本番がやって来ました。
朗読の流れは、
はじめに泉がある。
その泉は、人の心の小さな機微、
それが感情という流れ、川になり、
動きという名の河口になり、
僕らは海に辿り着き、
気球に乗り、海の音を聞きながら
舞い上がり、
新しい世界に辿り着く。
そこは、エメラルドグリーンの空と、
銀色の大地が広がる世界。
そこでは、以前いた現実世界での
記憶が、街に変る。
その街を瞬間的に作り出し、
その場所で、恋人に出会い、
家族をつくる。
そしてまた、泉から川になり
海になり、気球に乗り、
次の世界を目指す。
その繰り返し。

人とつながること、
何か、強く刻まれた記憶が
次の世界を作り出すなら、
今この場所で、もっと
強く誰かとつながってください。
愛すること、愛されることに甘えることに
恐れないで。

というような詩を即興でやりました。
拓さんのギターにシンクロしつつ。

今回の反省点は、いつもの古代歌謡らしさ、
ごく個人的な言葉やオリジナリティー
いつもの練習よりも出せなかったということ。

それは僕が、ライブの経験が浅く、
周りのお客さんにいかに伝わるかを
考えながら詠んでしまったことから来る。

前半はお客さんに引っ張られた
若干、薄い感じの言葉の連なりになってしまったけど、
後半は、それに気付き、自分の感情を
ありのまま出せた。結果、巻き返せたのが良かった。

お次は共演者の感想を。
タツオさんのギター。
リズムマシンを鳴らして、その上に
ギターの音色をのせるというライブ。
とてもうねりがあったし、
聴いていてシンプルに音の気持ち良さが
抜群だった。
ライブの組み立てかたも
ロディアスな曲から、音の大河、海へと
言う形で、とても広がりを感じた。
このタツオさんのライブが、次の古代歌謡の
即興、朗読の内容に影響を与えたのは
言うまでもなく、それが
一つの流れを組んだ、ライブイベントなのだと思った。
タツオさんありがとう。

そしてウラさんは、
サンプラーリズムマシンを駆使しつつの朗読。
朗読といっていいのか? 語り掛け?
言葉で踊る感じ。
ウラさんの何より良かった点は、
その肉体性。
ライブ会場の誰よりも、身体を大きく動かし、
ダイナミックに空間を揺らし、会場を揺れしていた。
リズムのあるライブは、やはり、
その奏者が、誰よりも一番テンションを上げることで
そのテンションが周りを巻き込む。
(これはどんなスタイルのライブにも
いえるかもしれないけれど)
その辺のリードの仕方、パフォーマンスは
非常に勉強になりました。
ありがとうございます。

最後に、イベントを終えて。
ウラさんに以前からアドバイスされていたことがある。
それは、もっと僕なり、古代歌謡は、
ポエトリーリーディングの現場に顔を出すべきですよ、
というもの。

今回のライブを経て、その意識が芽生えた。
これからは、どんな環境でも自分を出せるように、
また、どんな環境をも即興の要素に変える
アンテナを磨けるようにと、外に出ようと思いました。