デジタルzin!ポエジン『宇宙塵』/即興詩人・AI UEOKA

即興詩人・AI UEOKAによるデジタルzin! 雑多な芸術・らくがき日記。

イニシエーションの骸骨

もう先週のことになるのですが、
(時間は本当にあっと言う間に過ぎる)
手創り市、アトリエ訪問という名目で、
埼玉・秩父に暮らす、ツグミ工芸舎さん宅に
お邪魔して来ました。

http://tugumi-craft.jp/
ツグミさんのHP)

アトリエの風景や、インタビューの内容などは、
今後掲載される手創り市のサイトに譲り、
今回は、思い出となったたくさんのことから、
ひとつ、思い出を書き出してみたいと思います。

夜、星を見よう!ということになり、
ツグミさんの家の前の真っ暗な畑に出た。
すると、ツグミさんの子供のもっちゃん(小学四年生)が、
突然、僕にあるものを渡した。
暗がりの中、白く浮かぶそれは、
イノシシの頭蓋骨だった。
僕は、その頭蓋骨の、上顎と下顎を
とりわけ、またくっつけたりしながら
神妙な気分に浸ることが出来た。
(そして、後日、古代歌謡でスタジオに
入った際、僕は即興でその日の晩のことを
詩に変えた。そして気付いたのは、
この頭蓋骨は、僕の心の旅が生み出した
イニシエーションのシンボルのようなものだと。
注・シャーマンは最初の修行(イニシエーション)で、
自分の身体が、骨だけにされて、その骨が
ばらばらになり、また融合するという
ビジョンを見ることが、世界各地で多いとされている。
その話から、僕は、骨に出会うたび、
これはイニシエーションの骨だ、と
思うようになった)

最近思うことがある。
ツグミさん(主にオキムイさん)とのメールのやり取りや、
周りの友人たちとの交流を通じて、
強く感じること。
それは、みんな自分の言葉を持っている、ということだ。
みんなそれぞれに、独特の文体・リズムがあり、
選ぶ言葉、カラーがある。実にカラフルである。
僕はたまに、自分のことを感情のないロボットのように
感じる瞬間がある。
それは、自分の言葉で語っていないときだ。

僕は、小説や詩を書いているけど、
そのくせ、ステレオタイプな言葉に甘んじて
しまう、甘さが時折ある。
それが、自分を自分でないものにすり替える。

そこをなんとかしたい。と、今回の
アトリエ訪問でも強く思った。

言葉が自分のものでない、
言葉が生きていないということは、
僕の場合、自分自身で生きていないという
ことに等しい。

話は飛ぶが、「死ぬまでにしたい10のこと
という映画を観た。
その映画の主人公の素晴らしいところは、
自分の行動を自分で決めて、
それを忠実に実行する、という点にあるな、
と思った。
ひどくシンプルだけど、
これはすごく大切なことだと思う。

そんなようなことをここ最近は考えています。