銀河鉄道の夜(アニメ映画版)
宮澤賢治原作のアニメ映画「銀河鉄道の夜」を見返した。
はじめてこの映画に出会ったのは、確か、二十歳くらいか。
見返してみて再確認できたのは、(以下ネタバレあり)
この物語・映画の仕組みとして、「時間の概念がない感覚」を
随所に織り込んでいるということ。
最初のシーンは、天から舞い降りる風のような視点で
はじまるのだけど、それはたぶん、
眠りの中で風と化した(幽体離脱みたいなものか?)
ジョバンニだと思った。
そして授業中に居眠りしていたジョバンニの
背景に、水の泡粒が舞う、黒い空間が映し出される。
これは、カンパネルラが落ちて死んだ
川の水のビジョンだ。
つまり、眠りの中、幽体離脱した状態には、
時間や空間の概念がなく、ゆえにジュバンニは、
水中のビジョンを感ずることができたのではないか?
と思った。
あと、学校の壁に、機関車の絵や、カンパネルラが落ちた
であろう川の橋の絵が貼られているのにも、今回気が付いた。
これも未来を予言する、というか、空間と時間が
捻じ曲がるかのように入り組んでいることへの仕掛けだと
感じた。
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あと、「鳥を捕る人」の章で面白いと思ったのは、
天から舞い降りる白い鳥たちが、
二重螺旋を描いていたことだ。まるで遺伝子のように。
これが何を意味しているのかは、今のところピンとこないけど。