手紙と詩に運ばれて
先日、奈良でお菓子屋さんをしている
詩人のノリサンから手紙が来た。
http://otegaruhp.com/mihou/html/_TOP/index.html
A4の封筒に入ったその手紙には、
たくさんの詩が添えられていた。
僕は、その手紙や詩をどこで読もうか迷った。
人気のない場所、公園や森でその手紙を
じっくり読みたいと思った。
しかし、今すぐ読みたい、という気持の方が上を行き、
僕は混雑したミスタードーナツで、それを読むことにした。
ヘッドフォンをつけ、ユキシュンスケくん作の
「美呆展」の二年目のサントラを聞きながら
手紙と作品に目を通した。
ノリサンの手紙や作品はとても静かだった。
それらに眼を通していると、周りのお客さんのざわめきや
ヘッドフォンの中で流れる音楽、
そしてあたりの風景さえ消し去ってしまう、
そんな感覚を覚えた。
僕は、その手紙や作品に、確実に今居る場所とは
違う場所に運ばれたのだ。
その場所は、本当に静かで澄み切っていた。
しかし、その中にも作品の音や光が溢れていた。
こんな風に、誰かを心の奥底に運ぶ、ノリサンの作品が
僕は大好きだ。
この心の奥底は、みんなの心の奥底と繋がっていると
僕は思っている。
そして、自然と深く繋がっているノリサンは、
自らの作品に穴を空け、読者を
自然の持つ厳粛な静けさや、
温かな孤独の中に繋げる力があるのだと、僕は思えるのだ。