即興ライブ「ぴ」/多和田葉子さん「わたしのことば、わたしのくにたち朗読会」@くにたち市民芸術小ホール
「わたしのことば、わたしのくにたち朗読会」
自分のことばで「国立」を意識し、何かを伝える朗読会。
ご近所にある『くにたち市民芸術小ホール』で行われた、作家・多和田葉子さんのワークショップ?的なイベントに参加してきました。
多和田さんは、ベルリンに住んでいる詩人&小説家の方で、もともと国立に住んでいた縁から、今は国立の文化の発展に力を注いでいる方で。この朗読会に参加しようと思った動機はいくつかあり。
① 前に、僕に朗読の面白さを教えてくれた詩人イシダ・ユーリさんが、多和田さんの作品を朗読していて。
それを機に、ひとつ作品を読んだことがあり。すんごい欲ったのを覚えていて。言葉で、結果、自分や相手の身体を動かすのが言葉だろう、と普段感じているので、では会いに行こう! と思ったのがひとつ。
② もうひとつは、日本に暮らしている僕の『外宇宙に渡りたい願望』は、一体どこから来ているのか? を、ベルリンに実際住んでる多和田さんの姿勢を通して確かめに行きたかった、という点。
③ あとは、自分の実力は、今、どのあたりにあるのか? を、多和田さんを通し、客観的な視点から確かめるため。
④ それによって、自分は、「本当は何を求めているのか?」を、自分自身に知らせるため。
⑤ 純粋に気分転換。サラリーマンが、癒しとして銭湯やカラオケ、呑みにいくい感覚かと。ちょい魂がひろっ風呂浴びにライブでポエムって、誰かの美しさに酔ってくるわ!的な。
ワークショップは、一人一人が自分のひらがなを一文字選び、それを名札がわりに胸に貼ることからスタート。僕は『ぴ』って書きました。
演出家の川口智子さんの進行により、その一文字を、二人や三人で組み合わせて言葉にしたり、造語をつくったりしながら、実際身体で声を発してウォーミングアップ。
4、5人でグループを組んで、言葉を作ってメロディーに換えたり。そのグループで朗読の練習をし、ディスカッション。
最後は、一人原稿用紙五枚分の時間を発表に換えるという流れ。それに対し、多和田さんや、作曲家の平野さんもコメントを返してくれます。
生まれて初めて舞台に上がり、
「一度、舞台に立って、どんな気持ちがするのかを知りたかった。これで最初で最後です」
と言われる、僕のおふくろくらいの年齢の方が何人かいらっしゃいました。
その覚悟や緊張など、そういったことも込みで、その姿勢から生まれる、声や言葉が、ただただ美しいという、ものすごいものを見ました。
僕は4番目になったんですけど、
1番目の方が一人二役のインタビューを自分で自分にインタビューをすると言うのをやり、
2番目の方が、ステージ内に数人を配置、語りかけながら朗読の朗読をし、
3番目の方が、「幸せになること」、というテーマで、箇条書き的に様々なシーンを語ると言うのをやっていたので、
「僕は、その3つの要素を組み合わせて即興朗読を展開します」とアナウンスし、それを始めました。
どこをステージにして朗読を展開してもいい、というルールが粋な朗読会でした。
(つづく)
ぴ